「決めないことに決めた つれづれノート⑯」

「決めないことに決めた つれづれノート⑯」
2009.6.25 角川文庫
「このシリーズも16冊目ともなると、
まるで読者の方々と身内のように深い信頼と愛情でつながっているような気がしてきます。
なにがあっても離れない。
暗号さえも、通じるのでは?永遠の、友達でいましょう。」

いろいろな個性あふれる人々をひとりひとり見ていると、
それらの奥にそれらを束ねる大きな木の存在を感じる。
人間という木だ。
すると、ひとりの人の魅力は、いったいその人だけのものなのか、
その奥のいろんなつながりも含めてなのか、わからなくなる。
個人と人間の境目がわからなくなって、
個人とそのまわりがどんどんつながって広がっていく。
どこまでを見ていいのか、どこまででその人なのか、わからなくなる。
視界が広がって、個人が消えていく。

本文より