「きれいな水のつめたい流れ つれづれノート⑰」

「きれいな水のつめたい流れ つれづれノート⑰」
2009.12.25 角川文庫
今回は、愛と孤独について語っています。人ってどこかで会えるのかな。
「あらゆるものを飲み込んで消化して、包容力も もっとつけたいし、
さっぱりとした気持ちで人と笑いあいたいし、
自分のやり方で人を励ましたり力づけたりしたい。」

孤独でありつつ、人を愛するということができるのだろうか。孤独を紛らわせず、孤独と共にありながら、愛を注ぎ、受けることが。その時孤独はもとのままなのか、変容していくのか。私の想像では、孤独はますます研ぎ澄まされていき、私たちに力をくれるものになるだろう。

本文より

 

自分はどんな色の道を歩いてきただろう。
どんな色の道を作っていけるだろう。
みんなの道はどうだろう。その道はどこへ続くのだろう。
その道はどこへ私たちを連れて行くのだろう。
町がすべて消えて、やがて道だけが、残る。
地面も消えて、道がふわりと浮かぶ。
道が浮かぶ。
空中にたくさんの道が漂い、交差する。
まわりをみわたせば、だれかが、どこかにいる。
あなたがどこかにいる。
私は胸がいっぱいで、いつも言葉にならない。
この道は、どこへ続くのだろう。

本文より