「夕方らせん」

「夕方らせん」
2001.7.1 新潮文庫
「夕方らせん」の文庫版。
今、読み返すと、なかなかおもしろい。
物語の書き方の技術はつたないのですが、私らしさの片鱗がところどころに見えます。

あとがき

私の好きなある世界。この世の中にあるけれど、目には見えない世界。世界と呼ぶのは大げさすぎる。ある気持ちといえばいいのか。その気持ちの中へはいりこんで、その中にある森の木の葉の一枚のようなひらめきを胸にとどめるように書きしるすこと。
一瞬の休みもなく変わり続けるこの世の中。さまざまなもので構成されているこの世界。ひとりひとり違うたくさんの人々。自然。
心はいつでもどこかへ流れ出ようとする。心のことをどうしよう。
心のことについて、ずっと考えていきたい。そして木の葉を一枚一枚並べるように、考えたことを形にしていけたらと思う。