「月夜にひろった氷」(単行本)

「月夜にひろった氷」(単行本)
1987.12.10 河出書房新社
―ポケットの中で星が揺れたので この恋は あきらめようと思ったー
静かな詩集。
「私たちは冷静になって この風の中へ身を任せましょう
 心というものは本当はあやふやなものではなく
 もっと強いものだということを 思い出しましょう」

カバーの言葉

百合の形に咲いた青空
あなたの手をとって
歩いているように思う夜
あなたの足音を
波のように思う夜
ほほえんでくれたこと
何って聞いてくれたこと
さよならも今は
愛さえも今は
月夜にひろった氷

あとがき

確かに彼等は素敵だけど

それは追いかけるべきものではない
想う人への想いが消えて
君と僕へ 帰ってゆく時が
その時の気分が
僕に自分をたしかめさせるんだ

君は花の中で
小さな現実をつっついて遊んでればいい
時にはその穴からハトがとびだしてくるよ

驚いた君の顔ったら ないね

僕は 生きて ゆけるね